第25話 2007/05/15

「上海のモーターショーに見るALWAY 三丁目の夕日」
 4月22日から始まった中国・上海モーターショーを取材してきた。
 実際足を踏み込んだのはプレスデーである18日と19日だったが、とにかく怒濤のような人々の≪熱気≫に圧倒された。中国の人たちの自動車にたいする“アツ〜イ思い”が頂点に達しているのである。足を運んだ中国の人たちは50万人を超えたという。
 昨年の中国での自動車生産は720万台で軽く日本を抜いたのは記憶に新しいが、今年はさらに130万台上乗せした850万台が生産・販売される見通しだ。今年1月からの4半期で約22.2%の伸びだというからすごい。モーターショー自体も上海と北京交互に毎年おこなうスケジュールで、そのあおりで数年後には、おそらく東京モーターショーは地盤沈下する恐れである。
 いわゆる民族系の中国ブランドの乗用車が29.1%、日系ブランドの乗用車が28.3%、21.5%が欧州系、13%がアメ車系、韓国車が8.3%という戦国時代の様相。中国ブランドではチェリーという大衆車メーカーがやや先行し、街中では日本車だけでなくヒュンダイ、GMの乗用車が目に付く。意外と思うかもしれないが、中国人のクルマに対するマインドとアメリカ人のそれにはかなり共通するものがある。労働力の廉価な中国で開発したクルマをアメリカで販売する、という仕組みもありなのだ。
 競争の劣化とモノづくりの合理化などで、自動車の販売価格がこのところ5〜7%下がり、ますます庶民にとってクルマは高嶺の花から≪買うことができる大型商品≫へと移行しつつある。
 これって、日本の昭和40年代である。まさに、中国はいま「ALWAYS 三丁目の夕日」のど真ん中にいるのである。
 車検を受けたのだが、何らかの不具合で、不合格になった。
 たいていはテールレンズなどの“バルブ(球)切れ”や“ヘッドライトの光軸の狂い”が多い。前者は近くの部品屋さんで手当てできるし、後者は車検場近くの予備車検場に駆け込めば解決する。困るのは安直に解決できないトラブルだ。
 たとえば、筆者には過去にこんな例がある。ステアリングラックのダストブーツが破れていた。ダストブーツの破れなぞ、1年2年そのままでも大事故にはつながらない(水が入り、シールがダメになり、最悪パワステのオイルが流れ落ち重ステになる!)のだが、仕事に忠実な検査官の目はごまかせない。
 そこで、ど〜したか? こんなときは、火事場のバカ力ではないが、持てる能力がフルに活躍されるものだ。・・・・まず部品を手に入れ、自分で修理するシミュレーションを頭に描く。部品は修理工場に近くの自動車部品商を紹介してもらい即電話で部品在庫を確認。答えは「在庫アリ!」そこで、近くの顔見知りのタイヤショップのリフトを借り、作業を開始。特殊工具のタイロッドエンドリムーバーがあり、古いブーツを取り外すのは意外とスムーズにいった。狭い場所なので新しいブーツを入れるのに多少苦労。それでも1時間ほどで修理を済ませた。
 まったくのズブのシロウトの読者にはあまり薦められないが、でもこうした難問を一度解決すると、見違えるほどクルマへの愛が高まるのは事実。
 「タイヤは命を乗せている!」 大昔にそんなTVコマーシャルがあった。
 タイヤほど操縦安定性、乗り心地、燃費などを左右する最重要部品のわりにはふだんあまり注意を払わないケースが少なくない。 空気圧が10%下がっただけでも乗り心地や操縦安定性が微妙に悪くなり、燃費もダウンする理屈だ。それとトレッド面に山があっても経年劣化で硬くなり、乗り心地が悪化しているケースがある。走行キロ数が年間3000キロ以下で5年以上たったクルマのタイヤなどはたぶん山は5分山ぐらいだろうが、指で触ってみるとそれと分かるほど硬化しているケースがある。中古車を手に入れた場合、タイヤの山があっても安心できない。
 どのくらい前のタイヤかは、サイドウォールに書いてある4桁の数字で判断がつく。 たとえば「4905」とあれば、2005年の第49週目に製造されたタイヤであることが分かる。つまり2005年の12月あたりという勘定だ。
 とくにこの知識は、硬くなるとその価値がなくなるスタッドレスタイヤの中古を手に入れるときに活用できるので覚えておいて欲しい。
★中国のクルマ修理市場は日本製がお好き
 海外を取材すると服装や習慣の違いと同じように、クルマに対するまなざしの違いでびっくりすることが少なくない。
 上海のとあるカーショップに入ったところ、日本製のワイパーブレードを発見。英語、中国語、それに日本語の文字が入り乱れたパッケージに入った高級品だ。なかを開けてみてびっくりした。ゴムのブレードに樹脂製のカバーが付いているのである。
 販売している日系の商社に問い合わせたところ「中国製のワイパーの約2倍の価格でも売れるんです。中国製だとすぐダメになるのですが、うちのは1年以上大丈夫という高い評価なんです。といってもこれも実は中国でつくったものなんです。日本の市場で学習したわれわれのノウハウを注ぎ込んだ製品です」
 つまり逆輸入自動車部品だったのだ。それにしてもゴムブレードに過剰ともいえる樹脂のカバー。中国の市場では「ここまでやっているから高級品で長持ちする」というメッセージとして受け取るらしい。
 40数年前、舶来のほろ苦いチョコレートやカラフルなレーズンのパッケージにまだ見ぬカルフォルニアのまぶしい太陽を想像した少年の日を思い出す・・・・。
次回は6月1日掲載予定です。どうぞお楽しみに!

有限会社昭和メタル